にんにくの効果・効能は?健康にいい栄養素から効果的な食べ方まで

「にんにくが体にいい」「スタミナがつく」といったことを耳にしたことがある人も少なくないでしょう。
実際にんにくには体に良い効果がたくさんあります。
本記事では次のような方に向けて、にんにくを食べることで得られる効果について解説します。
- にんにくが体に良いと言われる理由を知りたい
- にんにくの効果を得やすい食べ方を知りたい
- にんにくを食べる際の注意点を知りたい
記事を読むことで、何となくしか理解できていなかったにんにくの効果が具体的に理解できます。
滋養強壮はもちろん、免疫機能や血圧など体の重要な機能にもはたらきかけるにんにく。
効果的な食べ方やおいしいにんにくんの選び方についても触れています。
ぜひ記事を参考に、にんにくを通して健康で笑顔あふれる生活を手に入れましょう。
記事のポイントは次の通りです。
【本記事のポイント】
- にんにくはアメリカの国立機関に認められた健康食品
- 疲れに効くだけではなく、免疫機能や血圧、コレステロールなどにも効果がある
- にんにくは生で食べるほうが効果的で、みじん切りかすりおろしがベター
- おいしいにんにくを選ぶポイントは「ハリと重量感がある」「丸みがある」など
- にんにくを食べすぎるとお腹を壊す可能性があるため注意する
- にんにくを長期保存するなら冷蔵か冷凍がおすすめ
それではそれぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
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そもそもにんにくとはどんな食材?

にんにくはスーパーでも販売され、料理に使うことも多い野菜のひとつです。日常的な野菜として認知されているにんにくですが、そもそもどんな食材なのか知らない方も多いのではないでしょうか。ここでは、にんにくの基本情報や歴史、種類について深掘りします。
にんにくの基本情報|ユリ科の多年草
にんにくは、ユリ科ネギ属に属する多年生の球根植物です。球根植物の仲間としては、チューリップやダリア、スイセンなどがあります。にんにくの基本情報は次の通りです。
学名 | Allium sativum(アリウム・サティブム) |
科・属 | ユリ科(またはヒガンバナ科)ネギ属 |
原産地 | 中央アジア(キルギス地方) |
形態 | 多年草、球根植物 |
旬 | ・生にんにくは6月下旬~7月上旬 ・乾燥にんにくは通年流通 |
主な品種 | ・寒地系(福地ホワイト六片、富良野など) ・暖地系(壱州早生、上海早生など) |
食用部位 | りん茎(球根)、にんにくの芽(花茎)、葉にんにく(若葉部分) |
草丈はおよそ60~70cmで、地上部はネギや玉ねぎに近い姿をしています。
地下にできるりん茎(球根)が食用部分で、いくつかのりん片が集まってできています。また、夏になると茎の先に白紫色の花を咲かせることもあります。
にんにくは古くから世界中で香辛料や薬用として利用されてきた歴史があり、強い香りと風味が特徴です。
世界と日本でのにんにくの歴史
にんにくは古代から世界各地で薬用・食用として重宝され、エジプト、ギリシャ、中国、日本と伝わりながら、現代まで人々の健康と食文化を支えてきた食材です。ここでは、世界や日本におけるにんにくの歴史を見てみましょう。
世界でのにんにくの歴史
にんにくの原産地は中央アジアとされ、最古の利用記録は紀元前3200年頃の古代エジプトにさかのぼります。ピラミッド建設に従事した労働者の体力維持や傷の治療、感染症予防などに使われ、日常生活に不可欠な存在でした。
引用元:おきなわ薬剤師会報 平成28年10・11月号|第28回 暮らしの中の薬草学 身近な薬草を知ろう|1ページ(最終閲覧日2025年6月13日)紀元前3200年頃には古代エジプトなどで栽培・利用されていた。現存する最古の医学書『エーベルス・パピルス』 に薬として記載がある。
にんにくはその後、地中海、ギリシャ、ローマ帝国へと広まり、戦争や労働者の活力源、薬用として重宝されます。ギリシャやローマでは、強壮効果や殺菌作用が知られており、料理や医療に幅広く利用されました。
シルクロードを通じて中国にも伝わり、病気の予防や治療に活用された記録もあります。20世紀に入ってからは、「アリシン」などの有効成分が改名され、体への良い効果がより鮮明になっています。
にんにくの種類と味・香りの違い
にんにくにはさまざまな品種があり、それぞれ味や香りの特徴があります。にんにくの代表的な種類と違いをまとめました。
栽培地 | 品種 | 画像 | 特徴 |
寒冷地 | 福地ホワイト六片 | 出典:Buzip+青森 | ・青森県を中心に栽培され、りん片は6個前後 ・外皮やりん片が白く、見た目が美しい ・甘味と辛味のバランスが良く、糖度が高い |
白玉王 | ・福地ホワイト六片から選抜、改良された高級品種 ・1球が大きく、りん片は肉厚 ・糖度が非常に高く、甘味、コク、旨みが強い | ||
北海道在来種(富良野、ところピンクなど) | 出典:楽天市場 | ・北海道で栽培されてきた在来種で、外皮の薄いピンク色が特徴 ・香りが強く、栄養価が高い | |
暖地 | 嘉定 | 出典:食べチョク | ・早生品種で球はやや小ぶり ・りん片数は10個前後と多い ・外皮が赤みがかり、香りが強く味も濃い |
壱州早生 | 出典:食べチョク | ・朝鮮半島から伝来した品種 ・12片前後とりん片数が多く、1片は小さめ ・香りと風味が強い | |
上海早生 | 出典:食べチョク | ・中国原産で、球はやや茶色がかっている ・りん片数が多く、スーパーでも広く出回っている | |
平戸にんにく | 出典:産直アウル | ・早生の大型品種で、1球の重さは100~150gと大きい ・黄色みがかった白色 ・香りが強く、しっかりとした甘味を感じる |
寒地系にんにくは、主に北海道や東北などの寒冷地で栽培される品種で、低温に強く、寒暖差によって味や品質が高まるのが特徴です。
暖地系にんにくはりん片数が多く、1片が小さいのが特徴で、外皮が赤やピンクがかる品種が多い特徴があります。休眠期間が短く、早生種が多いのも特徴です。
株式会社gellaでは、福地ホワイト六片から選抜された高級品種、「白玉王」を栽培しています。高い糖度が38.9度と非常に高く、高濃度ドライフルーツに匹敵。加熱すると甘味がより際立ちます。
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白玉王について詳しく知りたい方は、関連記事もご覧ください。
疲労回復のほかにも!にんにく摂取で期待できる健康効果

にんにくは疲労回復のイメージが強い食材ですが、健康効果はそれだけにとどまりません。アリシンをはじめとする多様な有効成分が含まれており、さまざまな健康効果が期待されています。ここでは、次のようなにんにく摂取で期待できる健康効果を解説します。

- 疲労回復・スタミナアップ
- 免疫力の向上
- 抗酸化作用・老化防止
- 血流改善・血圧低下
- がん予防
疲労回復・スタミナアップ|エネルギー代謝を助ける
にんにくの健康効果として、疲労回復やスタミナアップがあります。にんにくに含まれるアリシンは、ビタミンB1の吸収を助けてアリチアミンという成分に変化し、血中に長くとどまることで糖質のエネルギー代謝を高めます。
アリシンは豚肉などに豊富に存在する水溶性ビタミンB1と会合しアリチアミンとなり、ビタミンB1の脂溶性を増すことで、腸での吸収効率を上昇させることが知られています9)。アリチアミンは体内でビタミンB1に戻り、クエン酸回路で補酵素として使用されることでグルコースからのエネルギー産生 (疲労回復) を促進させる
引用元:日本薬学会 環境・衛生部会|ニンニクと健康(最終閲覧日2025年6月15日)
また、アリシンは激しい運動による筋肉疲労や筋肉損傷の指標となる血中成分の増加をおさえ、筋肉の抗酸化力(活性酸素をおさえる力)を高める効果も確認されています。にんにくのアリシンがビタミンB1と協力してエネルギー代謝を高め、疲労回復やスタミナアップに役立つのです。
免疫力の向上|風邪やインフルエンザなどの予防
にんにくに免疫力の向上効果があるとされているのは、主にアリシンをはじめとする成分の抗菌・抗ウイルス作用や、免疫細胞の活性化作用にあります。にんにく摂取によって免疫力が向上する主な理由は、次の通りです。
- アリシンが強力な抗菌・抗ウイルス作用で、細菌やウイルスの増殖を抑制
- アリシンが体内の免疫細胞を活性化し、病原体への抵抗力を高める
- にんにくのアリインやビタミンB1、ミネラルなども免疫機能の維持や向上にも役立つ
にんにくの免疫力向上効果については、2016年のフロリダ大学でも研究されました。
AGEを摂取した群ではプラセボ群に比べて風邪・インフルエンザの 症状の重症度 が明らかに軽減し、症状の出た日数や学校・職場を欠席した日数が有意に少なくなったことが報告されています。
引用元:一之江駅前ひまわり医院|ニンニクの効果と栄養・デメリットについて解説【メンタル・風邪・食べ方】(最終閲覧日2025年6月15日)
「AGE」とは、熟成にんにくの抽出物のことを指します。にんにくの有効成分が免疫機能を高め、感染症予防に役立つことは、専門機関や研究で裏付けられているのです。
抗酸化作用・老化防止|生活習慣病の予防にも
にんにくの抗酸化作用や老化防止、生活習慣病予防の効果は科学的に裏付けられているものです。熟成にんにくエキスやにんにく抽出液には、「S-アリルシステイン(SAC)」やポリフェノールなどの抗酸化物が豊富に含まれ、強い抗酸化活性があります。
体内で過剰に発生した活性酸素を除去し、細胞の酸化による損傷を防ぐ働きがあります。
熟成にんにくエキスはSAC やポリフェノールによって高い抗酸化活性を有し, 抗酸化物質の供給源として有用であると示唆された.
引用元:日本食品科学工学会誌 第69巻 第2号 2022年2月|熟成にんにくエキスの抗酸化活性とS-アリルシステイン及び 総ポリフェノール含有量の測定|43ページ(最終閲覧日2025年6月16日)
抗酸化作用によって細胞の老化を防ぎ、肌や血管の健康維持に役立ちます。黒にんにくは特に抗酸化成分が増加しており、肌のシミやシワの軽減、コラーゲン生成促進など美容面でも注目されています。
血中コレステロールをおさえたり、腸内環境の改善、善玉菌の増加を促進したりと、生活習慣病の予防にも役立つ可能性が報告されています。
血流改善・血圧低下|血液サラサラで動脈硬化防止
にんにくの主成分であるアリシンや加熱で生じる硫黄化合物は、血小板の粘着力を弱めて血液の流れを良くし、血栓の予防に役立ちます。全身の血液循環が良くなり、末端の冷えやむくみの改善などにもつながります。
にんにくには、血液の低下作用もあるとされており、高血圧でお悩みの方にもおすすめです。
オーストラリア・アデレード大学の研究グループも2009年に「ニンニクには降圧剤並みに血圧を下げる効果が期待できる」として、著名な医学専門誌に研究結果を発表しています。
引用元:DIAMOND online|ニンニクは「食べる降圧剤」。血圧を下げる効果あり(最終閲覧日2025年6月16日)
にんにくを食べることによる血管拡張作用や血流改善は、血圧低下の一因と考えられています。また、血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす働きがあり、動脈硬化防止、血流改善といった血液や血管への良い効果も期待できます。
がん予防|胃がんや大腸がんなどのリスク低減
にんにくには、胃がんや大腸がんをはじめとするがんのリスク低減効果があることが、複数の疫学研究や基礎研究で示されています。
ニンニクの摂取量と結腸癌リスクの間に強い相関が認められました。ニンニクの摂取量が最も多かった女性群では、最も少なかった女性群と比べて、遠位結腸癌のリスクが50%減少しました(7)。
引用元:がん医療情報 リファレンス|ニンニクと癌予防(最終閲覧日2025年6月16日)
また、にんにくは、アメリカの国立がん研究所(NC1)による「デザイナーズフーズ・ピラミッド」でがん予防効果がもっとも高い食品のひとつとして位置づけられています。
にんにくの摂取が胃がんや大腸がんなどのリスク軽減に役立つことは、複数の研究や実験で示唆されています。ただ、研究は十分とはいえず、効果は限定的な部分もあるため、今後さらなる研究が期待されています。
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アリシンで健康に!にんにくに含まれる栄養素

にんにく特有の香り成分「アリシン」は、ビタミンB1の吸収を高めて疲労回復や免疫力向上などに役立ちます。にんにくは、アリシンのほかにも豊富な栄養素が含まれる食品です。ここでは、にんにくに含まれる栄養素と期待できる効果について詳しく解説します。
にんにくに含まれる主な栄養素は、次の通りです。
アリシン|抗菌・抗酸化作用などの健康効果
アリシンはにんにく特有の成分で、強力な抗菌・抗ウイルス作用をもち、細菌やウイルスの増殖を抑制することで風邪や感染症の予防に役立つ成分です。
アリシンには強力な抗菌作用や抗ウイルス作用があり、さらに免疫システムを活性化させることで感染症から私たちの体を守ってくれます。
引用元:アスクレピオス製薬|にんにくの効果がすごい!男女別にわかる効果・副作用・活用のポイント(最終閲覧日2025年6月17日)
また、アリシンは体内の活性酸素を除去する抗酸化作用があり、細胞の老化や生活習慣病のリスクを軽減してくれます。免疫力を高めるはたらきもあり、健康維持やスタミナアップにも効果的です。
にんにくを刻んだりすりおろしたりして摂取することで、アリシンの健康効果を最大限に引き出せます。
ビタミンB群|疲労回復や免疫力向上
ビタミンB群は、にんにくに豊富に含まれており、エネルギー代謝をサポートして疲労回復に役立ちます。ビタミンB1が豊富に含まれ糖質を効率よくエネルギーに変換し、体のだるさや疲れを軽減します。
また、ビタミンB6の含有量も多く、エネルギー代謝や免疫力向上に役立ちます。
にんにくのビタミンB6含有量は、可食部100gあたり1.53mgです。ビタミンB6は、体内でアミノ酸の代謝を助ける補酵素として働いています。
引用元:サントリーウエルネスonline|「にんにく」に含まれている栄養素とは?基本について解説(最終閲覧日2025年6月17日)
ちなみに、ビタミンB6が多く含まれるとされる「かつお」で100gあたり0.85mg、「鶏ささみ」で100gあたり0.48gと、いかににんにくの含有量が高いかがわかります。
日々の健康維持や体力アップを目指す方には、日々の食事ににんにくを積極的に取り入れるのがおすすめです。
ミネラル類|血圧安定や骨の健康に効果
にんにくにはカリウムやカルシウム、マグネシウムなどのミネラル類が豊富に含まれており、血圧の安定や骨の健康維持に重要な役割を果たします。「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」では、にんにくのミネラル類について次の数値が示されています。
ミネラル類 | 含有量(100gあたり) |
カリウム | 510mg |
マグネシウム | 24mg |
カルシウム | 14mg |
ナトリウム | 8mg |
カリウムは体内の余分なナトリウムを排出し、高血圧の予防やむくみの解消につながります。
カリウムは腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制して、尿中への排泄を促進するため、血圧を下げる効果があります。
引用元:健康長寿ネット|カリウムの働きと1日の摂取量(最終閲覧日2025年6月17日)
カルシウムとマグネシウムは骨や歯の形成をサポートし、骨粗しょう症のリスク低下にも効果的です。
食物繊維|腸内環境の改善や便秘予防
にんにくは水溶性と不溶性、両方の食物繊維が含まれており、腸内環境の改善や便秘予防に役立ちます。
食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、にんにくには両方の食物繊維が含まれるのです。
水溶性食物繊維は、血糖値の上昇をゆるやかにする働きがあり、不溶性食物繊維は便のカサを増やして便秘の解消に役立ちます。
引用元:シンクヘルス株式会社|にんにくの栄養と効能効果~健康に良い食べ方や食材の組み合わせを徹底解説~(最終閲覧日2025年6月18日)
食物繊維は腸内の善玉菌の餌となり、腸内フローラ(多種多様な最近の集まり)を整えることで、便秘を改善します。にんにくに含まれる難消化性オリゴ糖も善玉菌を増やし、腸活に効果的です。
腸内環境が整うことで、免疫力の向上や体調管理にもつながります。
その他栄養素|三大栄養素が中心
にんにくは、三大栄養素である炭水化物・たんぱく質・脂質をバランスよく含んでいます。
三大栄養素 | 含有量(100gあたり) |
炭水化物 | 27.5g |
たんぱく質 | 6.4g |
脂質 | 0.9g |
ちなみに、「完全栄養食品」とも呼ばれる卵の三大栄養素含有量は次の通りです。
三大栄養素 | 含有量(100gあたり) |
炭水化物 | 3.4g |
たんぱく質 | 12.2g |
脂質 | 10.2g |
にんにくには炭水化物が特に多く含まれ、重要なエネルギー源となります。たんぱく質は体の組織や筋肉の維持に役立ち、脂質は細胞膜の構成やホルモンの材料として重要です。加えて、アミノ酸やビタミン、ミネラルも豊富に含まれており、健康維持に幅広く効果があるのがにんにくの魅力です。
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効果的!健康効果を得やすいにんにくの食べ方

にんにくの健康効果を最大限に引き出すには、食べ方に工夫が必要です。「アリシンなどの有効成分をしっかり摂取するにはすりおろしやみじん切りが効果的」など、ここで紹介するにんにくの食べ方を参考に、ぜひ料理に使ってみてはいかがでしょうか。
すりおろしかみじん切りが効果的|アリシンを引き出す
にんにくの効果を最大限に引き出すには、すりおろしやみじん切りが最適です。細胞を壊すことでアリナーゼという酵素が活性化し、アリインが分解、強力な抗菌・抗酸化作用をもつアリシンが生成されるためです。
ニンニク鱗茎内細胞に局在する前駆体アリイン(alliin)が維管束細胞に局在するアリイナーゼ(alliinase)によって脱離作用を受けることでアリシンが生成する.
引用元:生物工学 第89巻|ニンニク成分の知られざるはたらき(最終閲覧日2025年6月18日)
アリシンはビタミンB1の吸収を促進し、疲労回復や免疫力向上、血行促進など多くの健康効果が期待できます。すりおろした場合は、10分以内を目安に食べることで、アリシンの減少を防げます。
加熱して食べても一定の効果はある
にんにくは加熱調理することで、独特の辛味や強いにおいがやわらぎ、食べやすくなります。加熱によって健康成分アリシンは減少しますが、すべてが失われるわけではなく、一定量は残ります。
炒める、焼くといった一般的な加熱調理でもアリシンは数十%程度減少しますが、一定量が残り、80℃程度の低温調理ではアリシンが「アホエン」という別の有効成分に変化し、健康効果が期待できます。
加熱することによってアリシン三分子が縮合しアホエンが生成する7)。アホエンは,抗血栓作用,抗菌作用,抗ウィルス作用,コレステロール低下作用,血小板凝集抑制作用,抗腫瘍作用を持つことが報告されており8~13),ニンニク由来の含硫化合物の中でも特に強い健康増進作用を持つことが知られている。
引用元:浦上財団研究報告書 Vol.16(2008)|ニンニクの健康増進作用を増強させるための加工・保存技術の開発|22ページ(最終閲覧日2025年6月20日)
アホエンは血行促進や動脈硬化予防などの効果が期待できます。高温での長時間加熱は有効成分の減少につながるため、調理時は低温・短時間を意識するのが大切です。
ビタミンB1が豊富な食材と合わせて食べる
にんにくに含まれるアリシンは、ビタミンB1と結合することで「アリチアミン」という成分に変化し、ビタミンB1の吸収率を高め、持続的なエネルギー供給や疲労回復効果に効果的です。
豚肉や大豆、玄米などビタミンB1が豊富な食材と一緒に食べることで、効率よく栄養を取り入れることができ、日々の健康増進やスタミナアップに役立ちます。
サプリメントや黒ニンニクで手軽に摂取
にんにくの効果を手軽に取り入れたい方には、サプリメントや黒にんにくもおすすめです。サプリメントはにんにく特有のにおいが気にならず、成分を効率的に摂取できます。また、黒ニンニクは発酵によってアミノ酸やポリフェノールが増加し、抗酸化作用がさらに高まるのが特徴です。
黒にんにくへの加工により加工前の生ニンニクと比較して総ポリフェノール含量8)や抗酸化能9)が増加することが報告されている.さらに,加工により水溶性含硫化合物のS-アリル-L-システインやシクロアリインも増加
引用元:日本食品科学工学会誌 第68巻第10号 2021年10月|発芽にんにくを原料とした黒にんにくの水溶性含硫化合物含量|407ページ(最終閲覧日2025年6月20日)
毎日続けやすい形で、にんにくの健康効果を実感した方にぴったりな方法といえるでしょう。黒にんにくの健康効果について気になる方は、ぜひ関連記事もご覧ください。
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にんにくの副作用と注意点!食べ過ぎ・におい対策も解説

健康効果の高い食品として知られるにんにくですが、食べ過ぎによる体調不良や強いにおいが気になることもあります。ここでは、にんにくの副作用や注意点、食べ過ぎによる症状やにおい対策について詳しく解説します。
にんにくの食べ過ぎが引き起こす可能性のある症状
にんにくは健康効果が高い食材ですが、食べ過ぎると胃の粘膜や腸内環境を刺激し、胃痛や腹痛、下痢、吐き気などの消化器症状を引き起こすことがあります。
通常の食品として適切に摂取する場合はおそらく安全と思われるが、過剰摂取により、口や胃腸の炎症、胸焼け、鼓腸、吐き気、嘔吐、下痢が生じる可能性があり、まれにめまいや発汗、発熱、悪寒等も報告されている。
引用元:公益社団法人 福岡県薬剤師会|質疑応答(最終閲覧日2025年6月21日)
特に生のにんにくは刺激が強く、空腹時の大量摂取は注意が必要です。
また、アリシンの強い殺菌作用により善玉菌も減少し、腸内バランスが崩れることも。にんにく特有の臭いが体臭や口臭として強く現れる場合もあります。
にんにくの食べ過ぎによるリスクが気になる方は、関連記事もご参考ください。
にんにくのにおいをおさえる方法
にんにくを食べたあとの口臭や体臭が気になる方もいるでしょう。にんにくのにおい対策には次のようなものがあります。
- 食前に牛乳や緑茶を飲む
- 食事中にチーズやヨーグルトを食べる
- 食物繊維が豊富な野菜を一緒にとる
- 食後にりんごやウーロン茶を取り入れる
牛乳やチーズのたんぱく質がアリシンと結合し、においをおさえます。りんごのポリフェノールやお茶のカテキンも消臭効果が期待でき、ほかにもハーブやミントも口臭対策に有効です。
にんにくのにおい消しの方法については、次の記事で詳しくまとめています。
美味しいにんにくの選び方とおすすめの保存方法

にんにくの効果をしっかり得るためには、新鮮で栄養価の高いものを選び、適切に保存することが大切。ここでは、おいしいにんにくの見分け方と、風味や栄養を長持ちさせる保存方法について解説します。
新鮮で栄養価の高いにんにくの見分け方
申請んで栄養価の高いにんにくを選ぶには、次のようなポイントがあります。
- 外皮がしっかり乾燥していて、数枚重なっている
- 1片ずつが均等にふくらみ、粒が大きくしっかり密集している
- トップがしっかりすぼんでいて、全体が丸みを帯びている
- 表皮にツヤのがあり、茶色や黄色、褐色などに変色しているものは避ける
- 芽や根が出ていないか、トップやお尻部分をチェックする
- 軽く感じるものや、表面にしわや傷があるものは中身が乾燥していたり、鮮度が落ちている可能性がある
にんにくの効果を最大限に得るためにも、鮮度の高いものを選ぶことが大切です。
ちなみに、にんにくの芽や根は食べても問題ありません。ただ、発芽や発根に栄養が使われているため、できるだけ出ていないものを選びましょう。
にんにくの芽について詳しくまとめた記事もあるので、あわせてご覧ください。
長持ち&栄養キープする保存方法(冷蔵・冷凍・オイル漬け)
にんにくは冷蔵・冷凍保存で栄養価をほぼ損なわずに長持ちさせられます。常温保存する場合は、通気性のよいネットなどに入れて、直射日光を避けて冷暗所に保存しましょう。
ただ、常温保存の保存期間が短く、1~2週間程度と短く、夏季など気温や湿度が高い時期は傷みやすくなるため注意が必要です。
長期保存するには冷蔵保存や冷凍保存が向いています。丸ごと冷蔵保存するならキッチンペーパーや新聞紙で包み、密閉容器に入れて野菜室(可能であればチルド室)で保存しましょう。
オイル漬けも風味や栄養を保つ保存方法のひとつで、にんにくの効果を長く楽しみたい方や調理を便利にしたい方におすすめです。
にんにくの保存方法に詳しくまとめた記事もあるので、長くにんにくの効果を得た方や、大量に長期保存したい方はぜひご覧ください。
にんにくの効果についてよくある質問

にんにくは健康効果が高いと注目されていますが、「どれくらい食べたら効果があるのか」「毎日食べても大丈夫か」など、食べ方や摂取量について疑問をもつ方も多いでしょう。ここでは、にんにくの効果や摂取方法についてよくある疑問について解説します。
にんにくの効果を得るにはどれくらい食べれば良い?
にんにくの効果を得るためには、1日の適量を守ることがポイントです。一般的には、生のにんにくは1~2片(約5~10g)が推奨されています。
ある研究によると、生ニンニク約1〜2片を含む食事を1日1回食べるだけで、免疫細胞が活性化されることがわかりました
引用元:Nike│ニンニクが持つ5つの健康効果を管理栄養士が解説(最終閲覧日2025年6月21日)
にんにくはアリシンなどの有効成分が豊富で、少数でも健康効果が期待できますが、食べすぎると胃腸に負担がかかり、腹痛や下痢などのトラブルを起こすことがあるため注意が必要です。適量を守って、毎日の食事に取り入れましょう。
にんにくは毎日食べても良いの?
にんにくは毎日食べても問題ありませんが、適量を守ることが大切です。一般的に、生のにんにくは1日1~2片(約5~10g)程度が目安とされています。毎日摂取することで、抗菌作用や血行促進、免疫力アップなどの健康効果が期待できます。
ただし、食べすぎると胃腸の不調や体臭・口臭の原因となるため注意が必要です。胃腸が弱い方やアレルギーがある方は、少量から始めて体調の変化に気を付けましょう。
にんにく注射の効果は?
にんにく注射は、主にビタミンB1やその誘導体を含む注射液を静脈に投与するもので、実際にはにんにく事態を注射するわけではありません。注射後は血中ビタミンB1濃度が急速に上昇し、疲労回復や血行促進、新陳代謝の工場といった効果が期待できます。
にんにく注射でビタミンB1を直接補充すれば、経口摂取より短時間で血中濃度を上げてエネルギー産生を促進し、疲労物質の分解・除去を早める効果が期待できます。
引用元:いたや内科クリニック│いたや内科 「東中野の方必見!にんにく注射の効果:科学的根拠と成分別の作用」(最終閲覧日2025年6月21日)
効果は2~3日ほど持続しますが、水溶性ビタミンは体内に長くとどまらないため、継続的な利用が必要な場合もあります。
にんにくをおいしく食べて健康な体づくりをしよう
にんにくは豊富な栄養素とさまざまな健康効果から、古くから世界中で親しまれてきた食材です。アリシンやビタミンB群などが含まれ、免疫力アップや疲労回復、血行促進など多様な効果が期待できます。
毎日適量を摂取することで、体調管理や健康維持に役立つでしょう。食べすぎには胃腸への負担や体臭が気になる場合もあるため、自分に合った摂取量を守ることが大切です。にんにくの効果を上手に活用し、健康的な毎日を送りましょう。
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