にんにく栽培の基本をおさえよう!植え付けから収穫のポイントまで徹底解説
さまざまな料理のアクセントとして欠かせないにんにく。
日常的に使う方も多いのではないでしょうか。
ただ、自分でにんにくを栽培したことがある方は意外と少ないかもしれません。
本記事では、
- にんにくの栽培方法を知りたい
- にんにくは家庭菜園でもできるのか知りたい
- にんにくの栽培で注意するポイントを知りたい
といった方に、「あきたしらかみにんにく」を栽培する株式会社gellaがにんにくの育て方とコツについて徹底解説します。
にんにくは畑で栽培することが一般的ですが、プランターなどを使って家庭菜園でも育てることが可能です。
にんにくの植え付けから収穫までの具体的な方法や、注意するポイントについて詳しく解説するので、ぜひ参考にして自家製にんにくを栽培してみてはいかがでしょうか。
本記事のポイントは次の通りです。
【本記事のポイント】
- にんにくには「寒地系」と「暖地系」があり、地域によって品種を選ぶとよい
- にんにくは9~10月頃に植え付け、翌年の6~7月頃に収穫する
- にんにくの栽培には気温と水はけが重要
- 元肥と追肥でにんにくを大きくする
- 病気や害虫の予防が大切
- にんにくは家庭菜園でも栽培可能
- 収穫したにんにくは用途に合わせた方法で保存する
【目次】
- にんにくは体に良い効果がある野菜
- にんにくの栽培品種は地域に合わせて選ぼう
- にんにく栽培の基本
- にんにくを栽培する具体的な方法
- 収穫したにんにくの保存方法はさまざま
- にんにくを栽培して自家製にんにくを味わおう
にんにくは体に良い効果がある野菜
にんにくを日常的に食べる方も多いでしょう。
にんにくはヒガンバナ科ネギ属の野菜で、滋養強壮や殺菌効果がある健康にいい食品としても知られています。
ここでは、にんにくの品種や体への効果など基礎的な知識についてまとめました。
にんにくの品種には寒地系と暖地系がある
一口ににんにくといっても、さまざまな品種があることをご存じでしょうか。
にんにくの品種は大きく分けて「寒地系」と「暖地系」があります。
gellaでは寒地系の「福地ホワイト六片」から選抜された優良品種、「白玉王」を栽培。
ここでは、それぞれの品種の特徴について解説します。
寒地系、暖地系、その他の主な品種は次の通りです。
地域 | 品種 | 特徴 |
寒地系 | 福地ホワイト六片 | ・青森県原産の日本を代表する品種 ・1球あたり4~6片程度 ・1片が大きい ・真っ白な見た目と甘味が特徴 |
富良野 | ・北海道富良野地方原産 ・1球あたり10~12片程度 ・1片が比較的小さい ・茎にんにく、葉にんにくの栽培に向いている | |
白玉王 | ・福地ホワイト六片を改良して作られた品種 ・1球あたり4~6片程度 ・1片が非常に大きい ・病気に強く、福地ホワイト六片より大きくなりやすい | |
暖地系 | 上海早生 | ・中国原産 ・1球あたり12片程度 ・やや茶色っぽい外観 ・早生種で成長が早く、早期に収穫可能 |
嘉定 | ・中国原産 ・1球あたり8~10片程度 ・小ぶりだが香りが強い ・葉ニンニクとしての栽培も可能 | |
平戸 | ・長崎県平戸市原産 ・1球あたり8~10片程度 ・1球が比較的大きめ ・早生品種で収穫は早め | |
島にんにく | ・沖縄県原産 ・1球あたり15片程度 ・赤紫色の見た目 ・香りや辛味が強いことが特徴 | |
その他 | 大島にんにく | ・東京都大島原産 ・1球あたり8~10片・寒暖両用種で幅広い地域で栽培可能 ・マイルドな辛味と香りが特徴 |
くまモンにんにく | ・熊本県原産で嘉定系統の品種 ・1片あたり8~10片程度 ・1球が比較的大きく、形がいいことが特徴 ・早生種で早期収穫が可能 | |
ジャンボにんにく | ・一般的なにんにくとは別種(西洋ネギ種) ・通常のにんにくの5~8倍の大きさになる ・無臭にんにくとも呼ばれ、強いにおいが少ない ・栽培方法は通常のにんにくとほぼ同じ |
品種によって見た目や大きさ、栽培時期などが異なります。
また、「白玉王」のように新たに開発され、病気に強いといった特性がある品種も。
寒暖両用種は広い地域で栽培可能で、家庭菜園にも向いています。
にんにくには体にいい効果が豊富にある
「にんにくは体に良い」ということを耳にしたことがある人も多いでしょう。
にんにくが体に良いとされる背景には、「アリシン」という成分の存在があります。
にんにく特有の香りや辛味のもとであるアリシン。
実は体に良い影響が豊富な栄養素なのです。
アリシンの主な体への作用は次の通り。
- 強い抗菌作用で免疫力を高める
- 血行促進効果で血液をサラサラにする
- ビタミンB1と結合して、高い疲労回復効果を発揮する
- がんの予防に効果的な食品として注目されている
「にんにくでスタミナがつく」「滋養強壮の効果がある」といった情報は、アリシンの効果によるものだったのです。
生にんにくであれば1日1片、加熱したにんにくであれば2~3片程度が適量。
食べ過ぎはお腹を壊す原因になるため、注意しましょう。
にんにくの効果については、次の記事で詳しく解説しています。
にんにくの栽培品種は地域に合わせて選ぼう
にんにくには大きく分けて「寒地系」と「暖地系」があることを解説しました。
栽培する品種は地域によって選ぶとよいでしょう。
日本ではおおよそ、次のように寒地と暖地に分けられています。
気候に合った品種を選ぶことで、適切な栽培が可能になって収穫量や品質のアップが期待できます。
地域に合ったにんにくを選ばないと生育不良や収穫量の減少につながるでしょう。
また、地域の環境に適していない品種は地域特有の病害虫への耐性が低い可能性があります。
また、暖地に属していても、標高が高いといった理由で冷涼になる地域もあるでしょう。
栽培する場所の気候をきちんと把握して、品種を選ぶとにんにく栽培がより楽になります。
にんにく栽培の基本
にんにくの栽培方法をご存じでしょうか。
にんにくは秋頃に植え付けて、夏頃に収穫する野菜です。
ここでは、にんにくの栽培暦から、生育の基本について解説します。
まずは基礎知識をつけて、にんにく栽培の土台を作りましょう。
にんにくの植え付けから収穫までの暦
にんにくの植え付けは秋頃に行い、冬を越して夏頃収穫。
gellaでは次のような流れで、あきたしらかみにんにくを栽培しています。
栽培や地域によって若干の違いがあるでしょう。
また、寒地系にんにくは冬には生育が止まりますが、暖地系は成長を続けるため、収穫時期も5~6月と早めになります。
ただ、基本的な流れは変わりません。
gellaでは植え付け後に「芽出し(マルチからに引っかかっている目を地表に出す)」や、収穫前に「とう摘み(出てきた花茎を取り除く)」といった作業も行います。
にんにくの生育には気温と水はけが重要
にんにく栽培で特に重要な要素が、生育時の気温と水はけです。
にんにくの生育適温は15~20℃程度で、もっとも成長が促されます。
また、降雪地域では雪の下のにんにくは冬眠状態に入り、生育が停止に近い状態に。
寒い期間が長いほど、凍結防止のためににんにくは内部に糖分を蓄えます。
冬季に蓄えた糖分は、春以降の成長に使われるほか、食べたときの豊かな甘味のもとにもなっているのです。
にんにくは寒さに強い野菜ですが暑さには弱く、収穫が遅れると球が割れたり病害虫による被害を受けたりする可能性が高まります。
また、水はけもにんにくの生育にとって非常に大切な要素です。
にんにくは過湿を嫌う野菜で、水はけが悪いと根腐れを起こしたり、さまざまな病原菌の繁殖につながったりします。
水はけの良い土にすることで、にんにくの健全な成長が期待できます。
「団粒構造」と呼ばれる土の状態が、にんにくの生育に最適です。
団粒構造とは、土の中の細かい粒子が集まって小さな塊(団粒)を作っている状態のこと。
大小さまざまな大きさの塊が混ざり合って適度なすきまを作り、通気性と排水性をよくします。
水はけをよくするほか、土壌生物の活性化や根の伸長を促すといった役割も期待できるのです。
団粒構造を作るためには、堆肥や緑肥を使用して収穫後や植え付け前に土を耕します。
土や空気を混ぜることで、微生物の活動が活発になり、団粒構造を作りやすくなるでしょう。
また、gellaでは土の深い部分にある硬盤層を壊したり、暗渠を設置したりすることで水はけを改善しています。
適切な元肥や追肥で成長を促す
にんにくの生育には、適切な元肥や追肥も重要です。
土づくりの際に完熟堆肥や化成肥料、苦土石灰などを使用することで、土中の栄養素を補給したり、pHを適正に調整できます。
ちなみに、にんにくの場合はpH6.0~7.0の間で調整するとよいでしょう。
また、生育状況を見ながら4~5月頃に追肥を行うと、球の肥大が促進されます。
ただ、過度な施肥は枯れる時期を早めたり、球割れを起こしたりする可能性があるため注意が必要です。
水はけや元肥などを含めて、にんにくの土づくりについて解説した記事もあるので、あわせて参考にしてみてくださいね。
病気や害虫に注意する
にんにくに限りませんが、栽培の際には病気や害虫への対策が必要です。
病気や害虫が広がると、一気に収量が落ちたり、品質が悪化したりしてしまいます。
ここでは、にんにくに発生しやすい主な病気や害虫と対処法について解説するので、ぜひ栽培の際の参考にしてみてください。
にんにくの葉や茎に発生しやすい病気
にんにくの葉や茎に発生しやすい病気と対処法は次の通りです。
病気 | 発生時期 | 症状 | 対処法 | 有効な農薬 |
春腐病 | 主に春から夏 | ・葉に筋状の病斑が生じ、葉脈に沿って茎の基部まで達する ・葉や茎が黄色くなり、腐敗する ・水分の多い土で菌が広がりやすい 出典:にんにく専門サイト | ・薬剤を使った防除 ・発症した株と土を取り除き、畑の外で処分する ・水はけのいい土づくりをする | ・Zボルドー水和剤 ・アグリマイシン100など |
さび病 | 主に春と秋 | ・葉の表面にオレンジ色の斑点が発生 ・葉が枯れる ・空気や水によって感染して周囲に広がる 出典:にんにく専門サイト | ・薬剤を使った防除 ・土壌の水はけと保水力の改善 ・通気性の確保 ・感染した葉を速やかに取り除き、畑の外で処分 | ・アミスター20フロアブル ・ジマンダイセン水和剤など |
葉枯病 | 主に夏 | ・葉の先端から枯れたようになったり、病斑が出たりする ・高温多湿で発症しやすい 出典:にんにく専門サイト | ・薬剤を使った殺菌 ・水はけをよくして適度に乾燥させる | ・ダコニール1000 ・トリフミン水和剤など |
黒斑病 | 主に春から初夏 | ・葉に楕円形の黒斑が拡大 ・スス状のカビが生じ、葉が枯れる 出典:病害虫・雑草の情報基地 | ・薬剤を使った防除 ・水はけをよくし、多湿を避ける ・適度な間隔で植えて風通しをよくする ・発症した葉を切り取って、畑の外で処分 | ・アミスター20フロアブル ・ダコニール1000など |
にんにくの種球や根に発生しやすい病気
にんにくの種球や根に発生しやすい病気は次の通りです。
病気 | 発生時期 | 症状 | 対処法 |
青かび病 | ・萌芽~越冬後 ・収穫前 など | ・種球の表面に青緑色のカビが発生し、腐敗が進む ・種球の乾燥不十分や、多湿で発生しやすい 出典:よしだ屋 | ・植え付け前の種子を十分に乾燥させる ・土壌の水はけをよくする |
黒腐菌核病 | 主に冬から春 | ・越冬前後に感染し、根が水浸状に腐敗 ・種球に感染した場合、白色のカビや黒色のごま状斑点が見られる ・次第に株全体が枯れる 出典:よしだ屋 | ・土壌の水はけをよくする ・連作を避ける ・種子消毒して植え付ける ・発症した株を早めに抜き取る ・農薬(ベンレートT水和剤20など)を使用する |
紅色根腐病 | 主に春から初夏 | ・根が紅色に変色しやがて腐敗 ・症状が進むと葉の先端が黄色に変色 ・生育が阻害されるが、球が腐ることは少ない 出典:埼玉の農作物病害虫写真集 | ・連作をさけて、てん菜や大豆などと輪作する ・土が乾燥しすぎないよう水分管理や土質改善を行う |
にんにく栽培で注意すべき害虫
害虫 | 発生時期 | 被害 | 対処法 |
ネギアザミウマ | 春から秋 | ・幼虫や成虫が葉の汁を吸い、多発すると葉全体が白っぽくなる ・食痕から春腐病が感染したり、鱗片がサメ肌状になったりする | ・農薬の使用(ハチハチ乳剤など) ・保管庫周辺の除草 |
ネギアブラムシ | 春から秋 | ・幼虫や成虫が葉の汁を吸い、葉が黄化 ・若い株では枯れる場合がある | ・農薬の使用(ダイアジノン乳剤40、ハチハチ乳剤など) ・畑周辺の除草 |
ネギコガ | 春から秋 | ・幼虫が葉の内部に入り、葉肉を食害する ・多発すると葉が白化したり枯死したりする | ・農薬の使用(オルトラン水和剤、ハチハチ乳剤など) |
チューリップサビダニ | 春から夏 | ・鱗片が吸汁され、黄橙色や淡褐色に変色する ・感染した種球を植えると、葉がねじれたり展葉できなかったりする | ・健全な種子を植える ・農薬の使用(トク地温乳剤、ハチハチ乳剤など) |
イモグサレセンチュウ | 春から夏 | ・初期段階では球に水浸状の筋が見られる ・収穫後に球が灰褐色のスポンジ状になる | ・農薬の使用(ベンレートT水和剤20) ・感染していな種子を使用 ・ネギ属植物以外を輪作する ・水はけをよくする |
にんにくはコンパニオンプランツとしても栽培できる
にんにくはコンパニオンプランツとして適した野菜としても知られています。
コンパニオンプランツとは、近くに植えることで互いにメリットがあり、病害虫を防ぐ効果がある植物のことです。
ここでは、にんにく栽培時に一緒に植えることでメリットがある、コンパニオンプランツをいくつか紹介します。
組み合わせのいい作物をにんにくと一緒に栽培することで、品質向上や収量増加が期待できるでしょう。
作物 | 効果 |
きゅうり | にんにくの根についている細菌が、きゅうりの立枯れ病を予防する。 |
アスパラガス | ・にんにくの抗菌効果で土壌を消毒し、アスパラガスを病気から守る ・アスパラガスの害虫であるハムシを遠ざける |
トマト | トマトの立枯れ病を防ぐ |
ブロッコリー | ブロッコリーの黒腐病や根こぶ病を防ぐ |
上記のような作物とは相性がいいにんにくですが、逆にマメ科やアブラナ科の植物とは相性が悪く、成長を阻害し合う可能性があります。
ぜひ畑にスペースがある方は、にんにくをコンパニオンプランツとして活用してみてはいかがでしょうか。
にんにくを栽培する具体的な方法
ここまでにんにく栽培の基本や、気を付けるべき病害虫などについて解説しました。
ここからは、にんにくを栽培する具体的な方法について紹介します。
家庭菜園でにんにくを育てる際の参考にもなるので、ぜひ目を通してみてください。
にんにくを畑で栽培する場合
にんにくを畑で栽培する手順は次の通りです。
【にんにくを畑で栽培する手順】
それぞれの手順について深堀していきましょう。
土づくり
にんにくの土づくりで大切なことは次の通りです。
【にんにくの土づくりのポイント】
- pH値が最適
- 有機質が豊富な肥沃
- 水はけと保水性のバランスがいい
にんにくの生育に最適なpH値は6.0~7.0とされています。
適切なpH値では、土壌中の栄養素が適切に溶け出しやすく、にんにくの根が吸収しやすくなるためです。
にんにくは特に酸性土壌に弱く、pH値が5.5以下になると生育に悪影響が出る可能性が高まります。
土づくりの際は、pH試験紙や専用のpHメーターを使ってpH値を測りましょう。
酸性土壌の場合、苦土石灰をまいて適切なpH値を保つことがおすすめです。
1㎡あたり100gを目安として散布しましょう。
また、土づくりの際には水はけと保水性のバランスを考慮することも大切です。
完熟牛糞堆肥や緑肥を使用して土を丁寧に耕すことで、土壌に酸素を入れたり有機物を供給したりできます。
有機物が土壌微生物の活動を活発化させ、団粒構造の形成に役立つのです。
また、硬盤層がある場合は、パラソイラーなどを使って硬盤破壊を行うことも水はけの改善につながります。
にんにくの栽培には主に、
- 窒素(N)
- リン酸(P)
- カリウム(K)
の栄養素が必要です。
土づくりの段階で「にんにく一発」といった化成肥料を使用して、土壌の養分を補給することもにんにくの生育には大切です。
専門機関などに土壌診断を依頼すると、不足している栄養素を把握できます。
土壌診断結果をもとに使用する肥料の量を決めるとよいでしょう。
特に窒素の量が過多になると、
- 葉の過剰成長(枯れるのも早まりやすい)
- 病気リスクの増加
- 裂球の発生
といったリスクがあるため、適切な量を使用することが大切です。
植え付け
土づくりが終わったら、
- 畝づくり
- マルチ張り
- 植え付け
- 土かけ
を行います。
にんにくに必要な畝の大きさは次の通りです。
うねの高さは10cm以上が望ましく、特に水はけの悪い土壌では高めに作ることで排水性を上げられます。
株間や条間はおよそ15cm程度がよく、根や葉が十分に広がるスペースを確保しましょう。
また、適度な間隔は通気性を保ち、病気の予防にも役立ちます。
にんにくは球を割って鱗片に分けます。(薄皮は残した状態でOK)
また、病害虫の被害にあった球や鱗片は使用を控えた方がよいでしょう。
深さ5cm程度でとがった方を上にして植え付けます。
植え付けた後にマルチの上に土をかけることで、「マルチがはがれることを防ぐ」「保温や乾燥防止」といった効果があります。
芽出し
植え付けして1ヵ月ほど経つと、にんにくの芽が出てきます。
うまく地表に出られている芽はいいですが、マルチに引っかかって出られない場合も。
芽が出てきた頃に、マルチに引っかかっているものを指で地表に出して上げましょう。
そのまま放置しておくと、マルチの下で葉が腐ってしまう可能性があります。
芽が傷ついたり、ちぎれたりしないよう注意しましょう。
追肥
にんにくをより大きく育てるには、追肥が大切です。
植え付けてから収穫までに2回ほど追肥を行います。
積雪のある地域では、雪解け後の4~5月に追肥を行うとよいでしょう。
暖地では、12月頃に1回目、3月中旬頃に2回目の追肥をします。
gellaではブームスプレーヤーを使って、液体肥料で追肥をしています。
除けつ
まれに1株から2本の葉が成長することがあります。
2本のまま成長すると栄養が分散して球が小さくなったり、くっついて成長して形が悪くなったりします。
片方の芽を球ごと引き抜く(除けつ)ことで、片方の球に栄養が集中して生育がよくなります。
除けつはにんにくが肥大期に入る前(4月末~5月上旬)に行うとよいでしょう。
暖地系品種は寒地系品種より早く肥大期を迎える傾向にあるため、少し早めに除けつを行っても構いません。
とう摘み
にんにくが成長し、4~5月頃になると「とう立ち(花茎が伸びること)」します。
花茎を残しておくと花に養分を使い、球の肥大を阻害してしまうのです。
花茎が出てきたら、つぼみの下の部分を折って取り除きます。
指で簡単に折れるので、とう摘みをしてにんにくをより大きく育てましょう。
ちなみに、花茎は「にんにくの芽」として市販されています。
ただ、自家栽培のものは農薬などが付着している可能性があるため、食用にすることは控えた方がよいでしょう。
にんにくの発芽や花茎について詳しく解説した記事もあります。
収獲
品種によって異なりますが、にんにくの収穫は5~7月頃に行います。
上の葉が2~3枚程度黄色くなってきたら、収穫適期といえるでしょう。
また、試し掘りをしてみて、にんにくのお尻部分が平らになっているとベストタイミングです。
数が少ない場合は手で引き抜いて収獲することも可能です。
gellaでは収獲機で収獲しています。
\丁寧な栽培で作られた安心の国産にんにく/
豊かな香りと糖度38.9%の甘みが特徴!
寒地系高級品種「白玉王」を使用
家庭菜園で栽培する場合も基本は同じ
にんにくは家庭菜園でも栽培できます。
植え付け時期や植え付け方法、追肥や収穫時期は基本的に畑での栽培と同じです。
にんにくの成長には根の張りが重要なため、深さ20cm以上ある長方形のプランターを用意するといいでしょう。
軽石などを底に敷いて水はけを確保しましょう。
土は市販の有機野菜培養土、肥料も「玉ねぎ・にんにく用」のものを使用すればOKです。
収穫したにんにくの保存方法はさまざま
収穫後のにんにくは3~4週間ほど乾燥させます。
葉を結んだり、ネットなど通気性のよいものに入れたりして、軒下などに吊るしておくとよいでしょう。
おおよそ30~40%程度減量できたら、十分に乾燥できた証拠です。
乾燥が不十分だと保存中に傷みやすくなるため、しっかり乾燥しましょう。
乾燥後のにんにくは、
- 常温保存
- 冷蔵保存
- 冷凍保存
- ビン漬け
といった保存方法があります。
保存方法によって可能な保存期間や特徴が異なるため、目的に合った方法を選びましょう。
にんにくの保存については、次の記事で詳しく解説しています。
にんにくを栽培して自家製にんにくを味わおう
本記事では、
- にんにくの栽培方法を知りたい
- にんにくは家庭菜園でもできるのか知りたい
- にんにくの栽培で注意するポイントを知りたい
といった方に向けて、にんにくの基本的な栽培方法について解説しました。
本記事のポイントは次の通りです。
- にんにくには「寒地系」と「暖地系」があり、地域によって品種を選ぶとよい
- にんにくは9~10月頃に植え付け、翌年の6~7月頃に収穫する
- にんにくの栽培には気温と水はけが重要
- 元肥と追肥でにんにくを大きくする
- 病気や害虫の予防が大切
- にんにくは家庭菜園でも栽培可能
- 収穫したにんにくは用途に合わせた方法で保存する
栽培に関する基礎知識を頭に入れて栽培することにより、にんにくをより上手に栽培できるでしょう。
にんにくは家庭菜園でも栽培できるため、ぜひ本記事を参考に気軽に挑戦してみてはいかがでしょうか。
株式会社gellaでは、高品質な国産にんにく「あきたしらかみにんにく」を生産しています。
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